不思議な森の観測所 陸軍伊良湖試験場・福江観測所

愛知県は渥美半島。ここらのサーファーのメッカでもある、伊良湖岬に程近い山の中。
森の中に、ぽつんと、ひっそりと佇む、レンガ造りの軍事遺構があります。

軍事遺構とは思えないような可愛らしいレンガの構造物。
これは陸軍技術研究所伊良湖試験場という、旧陸軍の火器の試験場を構成していたもののひとつ。
福江観測所と呼ばれる建物です。

建物上部の平場。あるものと言えば、何かの観測器具の名残でしょうか、小さな石柱が1本だけ。
周囲が森であることもあり、建物のうちの半分は自然に帰っています。
伊良湖試験場は国内でも最大級の兵器試験場で、
陸軍で使用する大砲・弾薬の大半がここで試験を受けて各地へ運ばれたそうです。
こうした観測所は複数立てられ、今現在も、あるものは山の中に、あるものは海岸の崖に眠っています。

入り口から中に入ると、部屋は一部屋だけ。
奥に長く、一枚目の外観からわかりますが、やたらと横長の窓が開いた部屋です。
中に当時を偲べるようなものは何もありません…
ん?

コーラのビンがありました。何故か廃墟にはつき物の、コカ・コーラの瓶。
小さな机のような台、その上に置かれた松ぼっくり。近所の子供がおままごとでもしていたのでしょうか。
その子たちの親が生まれるよりも昔に作られたこの建物は、
その子ども達が老いて逝く時も同じくここに存在することでしょう。

昔は、巨砲が地を揺るがし、轟音が鳴り響いたこの地も
今は、訪れる者もなく、ただ建物が残されるのみ。
緑が良く似合う、その可愛らしい建物が。

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